今月初日に
Appleから音楽ストリーミングサービス「
Apple Music」がリリースされ、話題になっている。また少し前には「
AWA」「
LINE Music」などのストリーミングサービスがリリースされストリーミング全盛の時代が始まったように思われます。
Apple - Music
多くのメディアで「ストリーミングサービスの時代」だと騒がれていますが、果たして時代は到来しているのでしょうか。
スマートフォンを最もヘビーに利用する、学生にフォーカスしてストリーミングサービスの話をしていきます。
学生が求めているサービスとはなにか
学生が求めているサービスは「無料で聴ける」これに限ります。私自身も、友人が音楽を聴いているアプリを見ると「
Youtube」「
ニコニコ動画」「無料音楽アプリ」が主です。
どんなものであろうと「無料」ということが前提になっていることがよくわかります。信頼性や広告の有無なんてどうでも良いわけです。
そもそも音楽を持たない、ライブラリもない、音楽の聴き方というのは新しいように聞こえて若者や学生は
スマホを使い始めてすぐに身につけている使い方なのが事実です。
J-popにとどまらず、アニソンや
ボーカロイドなど他世代に比べて幅の大きい音楽の好みには追いついていくことが非常に難しくなっています。
音楽の聴き方がCDを買うのではなく、オンラインで聴くというところまではストリーミングサービスはカバーすることが出来ました。
しかし、音楽に対する情報を得る方法がアーティストが今や
マーケティングツールとして利用する
Youtubeなどのサービスに変化してきている中で、音楽の聴き方はどうしてもそのサービス止まりになってしまいます。
他のサービスに目が向かなくなってしまいます。
プレイリストとレコメンド
ストリーミングサービスにおいて、この話は繰り返しされていますが学生にとってあまり重要なものではありません。
Youtubeで好きなアーティストの公式チャンネルを100人くらい登録したり、
ニコニコ動画のランキングを追いかけているだけで、まだ聴いたことない曲をほんの数時間で山のように聴くことが出来ます。
つまり、超加速した音楽の消費が行われています。
感覚的に
Twitterのタイムラインで友達のツイートを消費するごとく、音楽が消費されていくわけです。
お気に入りの楽曲をプレイリストにして、友達が作ったミックステープを聴くようなこともない、レコメンド機能よりもお友達に教えてもらった音楽の方が聴きたくなる。
これが、若者の音楽の聴き方です。
結局動画サイトに落ち着くもの
ストリーミングサービスは熱心な音楽ファンより、カジュアルに音楽を聴く一般層により愛されることになるでしょう。しかし、そこには動画サイトという大きな壁が存在しています。
コレクションすることもなく、強烈なこだわりのないそのカジュアルさというのは動画サイトにより学生の音楽視聴構造を成立たせている部分が非常に大きいです。
その視聴構造の変革ができたときこそ、本当の時代の幕開けとなるのでしょう。