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偏差値ふぉーてぃー

教科書捨ててブログしてる偏差値40台の高校に通う高校生のブログ。

歌詞を読み解き思考する、日本語ラップの魅力

音楽

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フリースタイルダンジョンをはじめとしたフリースタイルという形からラップブームが広がっている。アンダーグランドだと言われ続けた音楽が、地上波にも露出し、最近ではラッパーを扱ったバラエティー企画も増えた。

 

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今まではテレビといっても、ギャングスタラップを強く意識した企画が多く世間に対して与えたイメージは決していいものとは言えないだろう。しかし、最近ではラッパーのイメージがアウトローやヤンキーから、アーティストとして認知されつつある。

ここまで書いたことは事実半分で、実際のところこのような認知のされ方が全てではないことはよく分かる。事実、私の家族に聞いても「Yo Yo!ヤンキーみたいな」と鼻で笑われることも少なくはない。

しかし、それだけが日本語ラップというわけでではない。

日本語ラップというのは、もっと日本人らしく繊細でその言葉の中にギミックが隠されているのだ。

日本語ラップに潜むトリック

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この曲は、自身と業界の状況を“看板に描かれている女の子”になぞらえながらシュールに描写。(中略)独自の着眼点と世界感が凝縮したリリックをBACHLOGICによる煌びやかなトラックに乗せて、軽やかに、そして切れ味抜群なフロウで表現している。 

[VIDEO] “THE GIRL ON A BOARD feat. 鋼田テフロン”/SALU|MUSIC/VIDEO[メディア]|Amebreak[アメブレイク]

Mr.Childrenなども契約しているTOY'S FACTORYに所属するラッパー、Saluの「The Girl on a board」という楽曲がある。一見一人の女の子を描いた曲に聞こえるが、そこには自身の業界への想いが綴られている。

彼らはこうやって判断
売れそうか売れそうじゃないか
もてはやされ捨てられてくWay

J-POPでこんな曲はまずありえないだろう。J-POPならどんな歌詞になるのかと例になるものを探したいところだが、そもそもJ-POPが業界について語ったりはしない。

一見すると、女の子を描いたようだが”実はそれだけではない”というのは、推察したりしたくなるオタクの本能をくすぐる。分かりやすく言えば、考察厨ホイホイな話題である。

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 「キ・キ・チ・ガ・イ DJ OASIS feat 宇多丸(from RHYMESTER)&K DUB SHINE」というヒップホップ界隈で有名な3人が歌っている曲がある。

ラップというと誰もが思いつくのが韻を踏む、押韻だろう。この曲は押韻を使って、社会的事象について意見を述べている。

だから言ってんの 正反対だ まるで常習的性犯罪者
なのに裁かれずに死んだ酷い人 思わせる心の広い人

一見すると普通の歌詞だが、少し分の区切り方を変えるとその曲の本性というべきであろうか、表情が見えてくる。

だから言ってんの 正反対だ天皇正反対だ) まるで常習的性犯罪者
なのに裁かれずに死んだ(極東国際軍事裁判)酷い人(裕仁) 思わせる心の広い人(昭和天皇の諱「裕仁」)

なんとまあビックリなことだろう。押韻で、ダブルミーニングを表現するというのはラップにしかできない、トリッキーな表現方法といえるだろう。

もし、この曲が気に入った社会派オタクが居ればニコニコ動画に投稿されている、文鳥の「personA」という曲も聴いてみるといい。

J-POPとは違う言葉の力

普段多くの人が耳にするJ-POPは極めて、受けてと作り手が分離している。それはどのようなことかというと、言葉の使い方だろう。

J-POPというのは日本で一番メジャーな音楽であるが故、多くの人に分かりやすくかつ普遍的なテーマ・内容で伝えていかなければならない。そういった楽曲は、いい意味でも悪い意味でも早く消化されていく。

一方で、上記に挙げられるような楽曲というのは、極めて狭い領域や分かりにくい内容のものが多い、しかしラップには、”私の考えを届ける”というような信念が曲にこもっているいるからこそ、そういったことができるのだろうと思う。

ストレートな歌詞のラップも多いが、小説のように壮大なオチやトリックが仕掛けられていたりするものもある。それは小説を読んでいるかの如く、歌詞を読み解いたりその人物を知りたくなったりする。

よくよく考えると、小説や絵画と同じでクリエイティブかつ繊細に仕上げられている音楽なんだと思わされる。

思考を続ける日本語ラップ

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いつか子供が生まれたらその子に見せたいと思う
ねぇ、福島出身だからもしかするとお嫁に来てくれないかもね
もしかすると彼女の両親や親せきが反対するのかな
もし結婚できたとしても子供を産むのは難しいのかな

福島出身のラッパー狐火の東日本大震災について歌った楽曲を収録した「PRAY FOR FINAL」というアルバムに「Day Drama」という曲がある。上記の引用は、その曲の歌いだしだ。

パッと歌詞を見ると「なんだかすごいこと言ってるなこの人は」という感じだが、これもまた日本社会や情勢を歌っている。和歌などにも、当時の社会を読み取れるものがある。

ラップは現代版和歌とも言えるかもしれない。

グッと引き込まれる日本語ラップの世界、このような一面だけでなく様々な側面をを持った音楽。どんな入口でも、気になったら聴いてみて欲しい。

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